事業再生各論 (民事再生)

民事再生手続

民事再生は、過剰債務を債権者の多数決によってカットする法的手続です。中小企業、個人事業、病院や学校等この手続を利用できる範囲に制限はなく、広く利用されています。民事再生手続においては、今後の事業計画を立て、そこから例えば5年ないし10年をかけて返済できる弁済総額を計算して返済計画を立て、それ以上の債務カットを債権者集会に諮ります。①債権者の頭数の過半数、かつ②債務額の二分の一以上の賛成を得て、計画どおり負債をカットしてもらうものです。

再生計画

再生計画は、民事再生手続を申し立てるまでの営業の実績、申立後再生計画を裁判所に提出するまでの営業の実績、その後の見通し等を前提に、今後利益をどれだけ生み出して行くことができ、どのくらいを返済に回せるかを吟味します。仮に民事再生手続開始のときに破産したとすれば債権者に配当される額よりも多い額を弁済する計画にしなければなりません。

取引先

再生手続申立がなされれば、一般に信用は,失われます。ですが実際には、それまでの業務上の取引先は、既に発生している債権がどれだけ回収できるかだけでなく、今後も申立企業と取引していけるかどうかという点にも関心を向けていますです。ですから、民事再生手続申立後の支払い方法を現金払いやそれに近いようにすることは要求されるものの、ただただ反対のために再生計画に反対するという対応をとる取引先は、現実にはかなり少ないものです

民事再生手続申立後の金融機関との関係

金融機関は、最大の債権者であることが通常です。そこで申立直後に申立を行った旨連絡したうえ状況説明に回ります。金融機関も、基本的には、再生手続の中で出てくる再生計画がどのようなものか、このまま破産した場合と今後出てくる再生計画とを比較してどちらが多く回収できるかという合理的な観点で対応します。ですから、再生手続を申し立てても、再生計画の提出を待ちそれを検討していくという態度に出るのが一般で、破産されるよりは経営再建して少しでも回収をするほうが金融機関にとっても有利であるばかりでなく,社会資源の喪失を回避することにもなりますから,反対するという金融機関は多くないのが実際です。不良債権が発生する貸付を行った金融機関側にも少なくとも道義的責任の一端はあるという点も、その背景にあります。

事業継続に不可欠な不動産の取り扱い

事業継続のために不可欠な資産というものがあります。工場や病院施設など、自社で所有している不動産で事業継続にどうしてもそれが必要という場合があります。民事再生に至る企業は、そのような不動産に対して金融機関の抵当権を設定しています。抵当権等の担保権は、民事再生手続とは関係なく実行することができますので、それが事業に必要な不動産に設定されている場合は、個別に担保権者と弁済方法についての協定を結んでいくことになるわけです。この場合、金融機関とその不動産等の評価等について交渉を行い、それを今後どのような分割払いで返済していくかについての協定を結びます(別除権協定)。

裁判所の監督

民事再生手続は、裁判所から選ばれた監督委員によってチエックされていきます。申立を行った企業側としては、その調査等に誠実に対応していくことになります。再生計画の大まかな素案やその実現性を概略検討したうえで裁判所に申立を行うのが通常であるものの、申立後に、再度より正確に財産を評価し直し、申立後の実績なども加味した上で、裁判所に提出する再生計画が検討されていきます。その財産評価や申立後の実績なども、監督委員や公認会計士のチエックの対象となるのです。

債権者集会

申立があってから数か月間ほどで債権者集会に至るのが標準的なスケジュールとなっています。申立がなされると、監督委員が選任され、監督委員同席の下で、申立企業による債権者説明会が開催されます。これが監督委員から裁判所に報告され、それを参考に裁判所が開始決定を出せば、その後手続が進行することになります。約5ヶ月の間で、申立企業は、資産の評価、債権者が提出する債権届出のチエック、再生計画立案、債権者への再生計画の説明などを行って、債権者集会を迎えます。この債権者集会で、債務額の半額以上、かつ債権者の頭数の過半数の賛成を得られれば再生計画が可決され、裁判所の認可決定によって再生計画が実行に移されていきます。


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