不動産強制競売

 競売申立て

不動産強制競売の申立ては、不動産の所在地の地方裁判所が管轄します。したがって、不動産所在地を管轄する地方裁判所を調べ、申立を行います。裁判所に対して不動産競売の申立てをする際には、以下の必要書類を事前に準備する必要があります。

  • 申立書
  • 執行力のある債務名義の正本
  • 送達証明書
  • 不動産登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 固定資産税評価証明書
  • 資格証明書
  • 地図等
  • 申立手数料(請求する債権1つにつき4000円分の収入印紙が必要です。)
  • 予納切手
  • 予納金
  • 登録免許税(請求債権額の1000分の4の印紙代が必要です。)

申立書は、複数の物件を差し押さえる場合であっても、物件単位に別の申立書を作成するのが原則的な対応です。その他、細かい形式的なルールが多く、管轄する地方裁判所ごとに取扱いが異なる場合もありますので、申立前に必ず確認しておきましょう。

裁判所による競売開始決定

裁判所が、債権者の提出した申立書や、既に解説しました必要書類を確認し、申立てが受理されますと、強制競売開始決定が出されます。強制競売開始決定が出た時点で、当該不動産の登記簿に「差押え」の登記がなされます。もう少し詳しくいいますと、裁判所が、法務局に対して、差押えの登記をするよう依頼するという流れになります。この差押えの登記が行われた以降、債務者は差し押さえられた不動産を勝手に処分したり、売却することはできなくなります。登記簿謄本を見ることによって、差押えをされているかどうかは第三者にも明らかにわかります。

現況調査・価格評価

強制競売開始決定が出たあと、次に、裁判所により、当該不動産の現在の状況がどうなっているのかに関する調査と、最低競売価額を定めるための不動産の評価が行われます。すなわち、現況調査と、価格評価です。具体的には、執行官が不動産の現在の状態や権利関係を調査し、不動産鑑定士が不動産の評価を行います。調査結果は、公開されて売却の準備に入ります。強制競売でよく登場する次の「3点セット」が特に重要な資料となりますので、その内容をきちんと理解しておいてください。「3点セット」には、対象不動産の評価額や状況・状態など様々な情報が記載されますので、購入希望者にとっては貴重な情報といえます。

 現況調査報告書

裁判所から不動産の現況調査の命令を受けた執行官は、対象不動産の土地・建物の形状や、現在誰が「占有」しているのか等を調査した上で、この「現況調査報告書」を作成し、裁判所に提出します。執行官は実際に現場に赴き、不動産を視察しているので、最も落札の際に参考とされる資料だといえます。

 評価書

裁判所から不動産評価の命令を受けた不動産鑑定士(評価人)は、近隣の同種の不動産の取引価格や収益等を踏まえた上で、この「評価書」を作成し、裁判所に提出します。「評価書」に記載されている「評価額」が競売の「売却基準価額」となります。

物件証明書

評価人は、上記の現況調査報告書や売却基準価額を参考にしながら「物件明細書」を作成・提出します。「評価額」は市場価格とは異なり、あくまで、強制競売不動産の対象となっている物件独自の価格となっていることが記載されています。

入札・売却

評価人である不動産鑑定士によって決められた「売却基準価額」を最低基準として、入札期間が公告され、購入希望者から、それぞれの買受予定金額を募ります。1番高い金額を申し出た人に売却されます。代金は「現金一括払い」で、この代金納付により、その不動産の所有権は購入者に移転します。ただし、民事執行法71条に定める一定の不許可事由がある場合には、売却はなされません。

債権者への配当

売却が終わると、いよいよ債権回収の段階となります。つまり、債権者への配当手続きです。債権者への配当手続きでは、債権者は、自己の有する債権額を届け出ます。売却代金は、まず、競売にかかった費用や抵当権付債権、税金などの公租公課に対して優先的に分配されます。そして、これらの優先的な債権を支払った後の残額を、他の債権者に対して、債権額に応じて分配します。この分配によりはじめて債権が回収できた、といえるのです。債権者が複数いる場合には、配当順位にしたがった配当表を、裁判所が作成します。なお、債権者が1名、あるいは債権者全員が全額の弁済を受けられる場合には、配当ではなく「弁済金の交付」といいます。


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