大阪地判 平14・5・17 労働判例828号14頁

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創栄コンサルタント事件-大阪地判 平14・5・17 労働判例828号14頁

事案の概要

Yの従業員であったXが、Yに対し、退職金の支払い、在職中の時間外割増賃金及び休日労働割増賃金の支払、有休休暇未消化分の買上げ等を請求し、これに対し、Yは退職金の支払いを約束したことはない、Xの賃金は残業代も含めた年俸制である、有給休暇の未消化分を買い上げるとの定めも、労使慣行もない等、争った。

判決の要旨

「Xが、Yの正社員となった平成9年4月から離職票上の離職日である平成13年1月20日までの間、Yには退職金の支給について定めた規程はなく、また、退職金を支給するとの労使慣行もなかった。
したがって、Xには退職金請求権はない。」
「Yが、試用期間時と異なって、正社員となった後は、Xに対して時間外労働割増賃金等を支払っていないことからすれば、Yの認識は、年俸制を採用し、これをXに適用したことによって、当然Xの賃金の中に時間外労働割増賃金(ただし、休日労働割増賃金は含まれない。)が含まれていたと考えていたからであると認められる。」
「しかし、年俸制を採用することによって、直ちに時間外割増賃金等を当然支払わなくてもよいということにはならない。そもそも使用者と労働者との間に、基本給に時間外割増賃金等を含むとの合意があり、使用者が本来の基本給部分と時間外割増賃金等とを区別することなくこれらを一体として支払っていても、労働基準法37条の趣旨は、割増賃金の支払を確実に使用者に支払わせることによって超過労働を制限することにあるから、基本給に含まれる割増賃金部分が結果において法令の額を下回らない場合いおいては、これを同法に違反するとまでいうことはできないが、割増賃金部分が法定の額を下回っているか否かが具体的に後から計算によって確認できないような方法による賃金の支払方法は、同法同条に違反するものとして、無効と解するのが相当である。
そうすると、・・・認定事実によれば、Yにおける賃金の定め方からは、時間外割増賃金分を本来の基本給部分と区別して確定することはできずそもそもどの程度が時間外割増賃金分や諸手当部分であり、どの部分が基本給部分であるか明確に定まってはいないから、Yにおけるこのような賃金の定め方は、労働基準法37条1項に反するものとして、無効となるといわざるを得ない。
したがって、Yは、Xに対し、時間外労働時間及び休日労働時間に応じて、時間外割増賃金等を支払う義務がある。」
「Xは、Yに対し、有給休暇未消化分の買上げを請求するが、使用者には、当然に有給休暇未消化分を買い取る義務はない。そして、Yにおいて、有休休暇未消化分を買い取る旨の規程の存在認められないし、XもYにおいて、有給休暇をお金としてもらっているというというのは知らない旨を供述している(X本人)ように、そのような労使慣行を認めるに足りる証拠はない。この他、XとYが有給休暇未消化買上げ請求を合意していた等の事情も認められない。」

 


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