平成6年年11月10日東京地裁決定労経速報1550号23頁

解雇・雇止め 裁判例マップ

割増賃金マップ ……Under Construction

平成6年年11月10日東京地裁決定労経速報1550号23頁

争点

解雇権の濫用といえるか

判決の要旨

解雇理由の相当性

右疎明事実によれば、債権者には就業規則25条3号に該当する解雇事由が認められるというべきである。
債権者は、配置転換することにより活用の余地が十分にあるのであるから、これをせずに債務者が債権者を解雇したのは許されないと主張するけれども、前記のとおり、債務者は、債権者と雇用契約を締結して以降、国際営業部、海外プロジェクト部及び国際審査部に順次配置転換し、担当業務に関する債権者の能力・適性等を判断してきたものであり、特に国際審査部においては、債権者が国内法務の業務を希望したことから、債権者の法務能力及び適性を調査するため、約三か月間、日常業務を免除し、法務実務に関する研修等の機会までも与えたものの、その結果は法務担当者としての能力、適性に欠けるばかりでなく、業務遂行に対する基本的姿勢に問題があると評価されたことから、債権者をさらに他の部署に配置転換して業務に従事させることはもはやできない、との債務者の判断もやむを得ないものと認められる。
また、債権者は、自分がこれまでの部署で十分に適応できなかったのは、債務者が職場環境の整備を怠ったこと、特に債権者に対する同僚の村八分行為や嫌がらせとそれに対する上司の不適切な対応に起因する職場不適応によるものであると主張するけれども、仮に債権者に対する同僚の村八分行為や嫌がらせの事実があったとしても、前記のとおりそのもともとの原因は債権者自身の言動等にあるものと認められるうえ、そのような事実と債権者の業務に関する能力欠如との間に因果関係があるとの的確な疎明もないのであるから、これらの事情が解雇権の濫用を基礎づけるものとみることは到底できない。〔解雇-解雇手続-同意・協議条項〕

解雇手続の瑕疵

なお、債権者は、解雇手続の瑕疵を主張するので、検討する。
解雇は雇用契約を終了させる使用者の一方的意思表示であるから、いかなる手続によって解雇するかは、就業規則等に特段の定めがない限り使用者の裁量に委ねられているものと解すべきところ、本件においては、解雇を規定した債務者の就業規則二五条が、「次の各号の一に該当する場合は、会社は30日前までにその旨を予告するか又は解雇予告手当を支給して職員を解雇することができる。但し、第3号に該当する場合については、会社はその都度設ける委員会の意見を徴して決定する」と定めているが、同就業規則には右委員会の構成員や審理手続等について具体的に定めた規定は存しない(書証略)。したがって、就業規則25条が定める委員会の構成や審理手続等は債務者の裁量に委ねられているものと解すべきであり、その委員会において被解雇者である債権者や労働組合の組合員に弁明の機会を与えなければならないものではないというべきである。
本件において、債務者は、平成6年4月26日に代表取締役専務取締役、総務部長、経理第二部長、国際審査部長、国際事業本部長、審査部副部長、人事部長、人事部長代理が出席する解雇検討委員会を開催して債権者の解雇問題について検討し、同委員会が債権者の解雇はやむを得ないと判断したことを尊重して債権者を解雇したことは前記のとおりであるから、その手続に何ら瑕疵はないというべきである。


労働事件(労働者側)の料金表

TOP

個人のお客様

法人のお客様

弁護士費用

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA