最判平成9年1月28日民集51巻1号184頁

相続コラム(目次)

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相続に関する主要な最高裁判例(目次)…Under construction

相続に関する不当な利益を目的としない遺言書の破棄隠匿行為と相続欠格事由

       主   文

 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人らの負担とする。

       理   由

 上告代理人山田齊の上告理由第一の一について
 相続人が相続に関する被相続人の遺言書を破棄又は隠匿した場合において,相続人の右行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは,右相続人は,民法八九一条五号所定の相続欠格者には当たらないものと解するのが相当である。けだし,同条五号の趣旨は遺言に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して相続人となる資格を失わせるという民事上の制裁を課そうとするところにあるが(最高裁昭和五五年(オ)第五九六号同五六年四月三日第二小法廷判決・民集三五巻三号四三一頁参照),遺言書の破棄又は隠匿行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは,これを遺言に関する著しく不当な干渉行為とはいえず,この行為をした者に相続人となる資格を失わせるという厳しい制裁を課することは,同条五号の趣旨に沿わないからである。
 以上と同旨に帰する原審の判断は,正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく,論旨は採用できない。
 その余の上告理由について
 所論の点に関する原審の認定判断は,原判決挙示の証拠関係に照らし,正当として是認することができ,その過程に所論の違法はない。論旨は,原審の専権に属する証拠の取捨判断,事実の認定を非難するに帰するものであり,採用できない。
 よって,民訴法四〇一条,九五条,八九条,九三条に従い,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

 


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