最判平成5年10月19日家月46巻4号27頁)

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最判平成5年10月19日家月46巻4号27頁)

① カーボン複写による自筆の遺言と民法968条1項の「自書」の要件
② 二人の遺言が一通の証書につづられている場合と民法975条

      主   文

本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

      理   由

上告代理人渡邊大司,同佐々木洋一の上告理由第一点について
所論の点に関する原審の事実認定は,原判決挙示の証拠関係に照らし,正当として是認することができ,その過程にも所論の違法は認められない。論旨は,原審の専権に属する証拠の取捨判断,事実の認定を非難するものにすぎず,採用できない。
同第二点について
原審の適法に確定した事実によると,本件遺言書は,Xが遺言の全文,日付及び氏名をカーボン紙を用いて複写の方法で記載したものであるというのであるが,カーボン紙を用いることも自書の方法として許されないものではないから,本件遺言書は,民法九六八条一項の自書の要件に欠けるところはない。これと同旨の原審の判断は,正当として是認することができ,原判決に所論の違法はない。論旨は,独自の見解に立って原判決を非難するものにすぎず,採用できない。
同第三点について
原審の適法に確定した事実関係は,本件遺言日は乙五判の罫紙四枚を合綴したもので,各葉ごとに景雄の印章による契印かされているが,その一枚目から三枚目までは,景雄名義の遺言書の形式のものであり,四枚目は被上告人甲名義の遺言書の形式のものであって,両者は容易に切り離すことができる,というものである。右事実関係の下において,本件遺言は,民法九七五条によって禁止された共同遺言に当たらないとした原審の判断は正当として是認できる。原判決に所論の違法はない。論旨は独自の見解に立って原判決を非難するものにすぎず,採用できない。
よって,民訴法四〇一条,九五条,八九条に従い,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
最高裁裁判長裁判官可部恒雄 裁判官園部逸夫,同佐藤庄市郎,同大野正男


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