最判昭和29年11月16日民集8巻11号2047頁

賃貸不動産トラブル【目次】
借地借家の最高裁判例【目次】

最判昭和29年11月16日民集8巻11号2047頁

有料社宅の使用関係の性質

       主   文

本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

       理   由

上告代理人高橋銀治の上告理由(後記)について。
会社とその従業員との間における有料社宅の使用関係が賃貸借であるか,その他の契約関係であるかは,画一的に決定し得るものではなく,各場合における契約の趣旨いかんによって定まるものと言わねばならない。原判決がその理由に引用した第一審判決の認定によれば,被上告人会社は,その従業員であった上告人に本件家屋の一室を社宅として給与し,社宅料として一か月金三十六円を徴してきたが,これは従業員の能率の向上を図り厚生施設の一助に資したもので,社宅料は維持費の一部に過ぎず社宅使用の対価ではなく,社宅を使用することができるのは従業員たる身分を保有する期間に限られる趣旨の特殊の契約関係であって賃貸借関係ではないというのである。論旨は,本件には賃借権の存在を証明し得る証拠があるにかかわらず,原判決はこれを無視してその存在を否定し法律関係の認定を誤った違法があるというのであって,帰するところ原審の適法にした証拠の取捨判断,事実の認定を非難するにほかならないので採用できない。
よって,民訴四〇一条,九五条,八九条に従い,裁判官全員一致で主文のとおり判決する。
最高裁裁判長裁判官井上登,裁判官島保,同河村又介,同小林俊三,同本村善太郎

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