最判昭和43年12月20日民集22巻13号3017頁

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最判昭和43年12月20日民集22巻13号3017頁

公正証書遺言の方式

      主   文

本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。

      理   由

上告代理人遠矢良巳,同泥谷伸彦の上告理由第一点について。
原審が確定した事実によれば,上告人ら及び被上告人らが本件不動産を共有取得するに至った原因は,訴外亡甲の特定遺贈にあるというのであるから,上告人らは,共有者の一員として通常裁判所における共有物分割の請求により,右不動産の分割を求めることができるものといわなければならない。原判決に所論の違法はなく,論旨は,畢竟,独自の見解に基づき原判決を攻撃するものであって,採用できない。
同第二点について。
共有物分割請求訴訟が固有の必要的共同訴訟であることは,所論のとおりであるが,右訴訟においては,共有者の全員が当事者であればよいのであって,必ずしも,共有者の一人のみが原告として訴を提起しなければならないものではない(大審院大正一二年(オ)第二三三号同年一二月一七日判決民集二巻六八四頁参照)。原判決には所論の違法はなく,論旨は,理由がない。
同第三点について。
原審の確定した事実によれば,遺言者たる訴外甲は,本件不動産を上告人ら及び被上告人らの四名に均等に分け与えるものとし,その旨を公正証書によって遺言することを決意した後,被上告人乙をして公証人のもとに赴かしめ,公証人は,同被上告人から聴取した遺言の内容を筆記したうえ,遺言者に面接し,遺言者及び立会証人に既に公正証書用紙に清書してある右遺言の内容を読み聞かせたところ,遺言者は,右遺言の内容と同趣旨を口授し,これを承認して右書面にみずから署名押印したというのである。従って,右遺言の方式は,民法九六九条二号の口授と同条三号の筆記及び読み聞かせることとが前後したに止まるのであって,遺言者の真意を確保し,その正確を期するため遺言の方式を定めた法意に反するものではないから,同条に定める公正証書による遺言の方式に違反するものではないといわなければならない(大審院昭和六年(オ)第七〇七号同年一一月二七日判決民集一〇巻一一二五頁,同昭和九年(オ)第二四八号同年七月一〇日判決民集一三巻一三四一頁参照)。原判決に所論の違法はなく,論旨は,採用しがたい。
よって,民訴法四〇一条,九五条,八九条,九三条に従い,裁判官全員の一致で,主文のとおり判決する。
最高裁,同裁判長裁判官草鹿浅之介  裁判官城戸芳彦,同石田和外,同色川幸太郎,同村上朝一


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