最判昭和51年3月18日民集30巻2号111頁

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最判昭和51年3月18日民集30巻2号111頁

相続人が受けた贈与金銭が特別受益である場合の受益額算定の方法

      主   文

本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

      理   由

上告代理人永宗明の上告理由について
被相続人が相続人に対しその生計の資本として贈与した財産の価額をいわゆる特別受益として遺留分算定の基礎となる財産に加える場合に,右贈与財産が金銭であるときは,その贈与の時の金額を相続開始の時の貨幣価値に換算した価額をもって評価すべきものと解するのが,相当である。何故なら,このように解しなければ,遺留分の算定にあたり,相続分の前渡としての意義を有する特別受益の価額を相続財産の価額に加算することにより,共同相続人相互の衡平を維持することを目的とする特別受益持戻の制度の趣旨を没却することとなるばかりでなく,かつ,右のように解しても,取引における一般的な支払手段としての金銭の性質,機能を損う結果をもたらすものではないからである。これと同旨の見解に立って,贈与された金銭の額を物価指数に従って相続開始の時の貨幣価値に換算すべきものとした原審の判断は,正当として是認できる。原判決に所論の違法はなく,論旨は採用できない。
上告人の上告理由について
所論の点に関する原審の認定判断は,原判決挙示の証拠関係に照らし,正当として是認できる。論旨は,畢竟,原審の専権に属する証拠の取捨判断,事実の認定を非難するものにすぎず,採用できない。
よって,民訴法四〇一条,九五条,八九条に従い,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
最高裁裁判長裁判官  岸 盛一  裁判官藤林益三,同下田武三,同岸上康夫,同団藤重光


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