最判平成7年1月24日裁判集民事174号67頁

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最判平成7年1月24日裁判集民事174号67頁

特定不動産を相続させる旨の遺言と遺言執行者の登記手続義務

      主   文

本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

      理   由

上告代理人行木武利の上告理由について
本件遺言により上告人に本件各不動産の遺贈があったとは解されないとした原審の判断は,原判決挙示の証拠関係に照らし,正当として是認することができる。原審の適法に確定したところによれば,本件遺言は,本件各不動産を相続人である上告人に相続させる旨の遺言であり,本件遺言により,上告人はXの死亡の時に相続により本件各不動産の所有権を取得したものというべきである(最高裁平成元年(オ)第一七四号同三年四月一九日第二小法廷判決・民集四五巻四号四七七頁参照)。そして,特定の不動産を特定の相続人甲に相続させる旨の遺言により,甲が被相続人の死亡とともに相続により当該不動産の所有権を取得した場合には,甲が単独でその旨の所有権移転登記手続をすることができ,遺言執行者は,遺言の執行として右の登記手続をする義務を負うものではない。これと同旨の見解を前提として上告人の請求を排斥した原審の判断は正当として是認することができ,その過程にも所論の違法は認められない。論旨は,独自の見解に立って原判決を非難するものにすぎず,採用することができない。
よって,民訴法四〇一条,九五条,八九条に従い,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
最高裁裁判長裁判官可部恒雄 裁判官園部逸夫,同大野正男,同千種秀夫,同尾崎行信


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