最判昭和57年4月30日民集36巻4号763頁

相続コラム(目次)
特別受益・寄与分の裁判例(目次)
相続に関する主要な最高裁判例(目次)
事業承継のコラム(目次)
相続税法(目次)

最判昭和57年4月30日民集36巻4号763頁

負担の履行期が贈与者の生前である負担付死因贈与の受贈者が負担のほぼ全部の履行をした場合と民法1022条,1023条の準用

      主   文

原判決を破棄する。
本件を名古屋高等裁判所金沢支部に差し戻す。

      理   由

上告代理人増本一彦,同増本敏子の上告理由について
負担の履行期が贈与者の生前と定められた負担付死因贈与契約に基づいて受贈者が約旨に従い負担の全部又はそれに類する程度の履行をした場合においては,贈与者の最終意思を尊重するの余り受贈者の利益を犠牲にすることは相当でないから,右贈与契約締結の動機,負担の価値と贈与財産の価値との相関関係,右契約上の利害関係者間の身分関係その他の生活関係等に照らし右負担の履行状況にもかかわらず負担付死因贈与契約の全部又は一部の取消をすることがやむをえないと認められる特段の事情がない限り,遺言の取消に関する民法一〇二二条,一〇二三条の各規定を準用するのは相当でないと解すべきである。
しかるに,上告人主張の負担である債務の履行の有無及び右のような特段の事情の存否について審理することなく,負担付死因贈与については遺贈の取消に関する民法一〇二二条(その方式に関する部分を除く。),一〇二三条の各規定が準用されるものと解すべきであるとして,本件負担付死因贈与契約はこれと抵触する本件遺言によって取り消されたことを理由に,本件遺言が右死因贈与契約の存在によって無効となる余地はないとした原判決は,法令の解釈適用を誤った違法があり,右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから,原判決は破棄を免れず,更に,審理を尽くさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。
よって,民訴法四〇七条に従い,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
最高裁裁判長裁判官宮崎梧一 裁判官木下忠良,同鹽野宜慶,同大橋 進

 


相続事件の料金表
TOP

個人のお客様

法人のお客様

弁護士費用

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA