最判昭和29年12月21日民集8巻12号2222頁

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最判昭和29年12月21日民集8巻12号2222頁

相続放棄の申述と申述者の自書の要否

       主   文

本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

       理   由

上告代理人岡本繁四郎,同大島清七の上告理由は後記のとおりである。
同第一点について。
家庭裁判所が,相続放棄の申述を受理することは審判事項であるから,その申述が本人の真意に基ずくことを認めた上これを受理すべきでありそのため必要な手続はこれを行うことを原則とするが,申述書自体により右の趣旨を認め得るかぎり必ずしも常に本人の審問等を行うことを要するものではない。そして家事審判規則一一四条二項が,申述書には本人又は代理人がこれに署名押印しなければならないと定めたのは,本人の真意に基ずくことを明らかにするためにほかならないから,原則としてその自署を要する趣旨であるが,特段の事情があるときは,本人又は代理人の記名押印があるにすぎない場合でも家庭裁判所は,他の調査によつて本人の真意に基ずくことが認められる以上その申述を受理することを妨げない。本件についてみるに,原判決及びその引用する第一審判決の判示するところによれば,十分な証拠調を行った上,上告人が真実に相続を放棄した事実を認定しその請求を排斥したことが明らかであり,またその判断に誤りは認めらられない。従つて仮りに本件の家庭裁判所が所論一の(一)(二)に述べるような手続によつて本件申述を受理したとすれば,慎重を欠いたそしりを免れないが,それだけで本件相続放棄の申述を無効ということはできない。その他の論旨は,原審の証拠の取捨判断又は事実認定を非難するに過ぎない。
同第二点について。
所論は,憲法一四条一項違反をいうが,その実質は原審の事実の誤認ないし法令違反を主張するに過ぎず,第一点について説明したとおりであるから採用できない。
よつて,民訴四〇一条,九五条,八九条に従い,裁判官全員の一致で,主文のとおり判決する。
最高裁裁判長裁判官井上登,裁判官島保,同河村又介,同小林俊三,同本村善太郎


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