最判昭和55年11月27日民集34巻6号815頁

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最判昭和55年11月27日民集34巻6号815頁

死亡退職金の受給権が相続財産に属さず受給権者である遺族固有の権利であるとされた事例

       主   文

本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

       理   由

上告人及び上告補助参加人代理人腰岡實の各上告理由について
原審の適法に確定したところによれば,被上告人の「職員の退職手当に関する規程」二条・八条は被上告人の職員に関する死亡退職金の支給,受給権者の範囲及び順位を定めているのであるが,右規程によると,死亡退職金の支給を受ける者の第一順位は内縁の配偶者を含む配偶者であつて,配偶者があるときは子は全く支給を受けないこと,直系血族間でも親等の近い父母が孫より先順位となり,嫡出子と非嫡出子が平等に扱われ,父母や養父母については養方が実方に優先すること,死亡した者の収入によって生計を維持していたか否かにより順位に差異を生ずることなど,受給権者の範囲及び順位につき民法の規定する相続人の順位決定の原則とは著しく異なつた定め方がされているというのであり,これによってみれば,右規程は,専ら職員の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とし,民法とは別の立場で受給権者を定めたもので,受給権者たる遺族は,相続人としてではなく,右規程の定めにより直接これを自己固有の権利として取得するものと解するのが相当であり,そうすると,右死亡退職金の受給権は相続財産に属さず,受給権者である遺族が存在しない場合に相続財産として他の相続人による相続の対象となるものではない。これと同趣旨の原審の判断は正当として是認すべきであり,原判決に所論の違法はない。論旨は,いずれも採用できない。
よって,民訴法四〇一条,九五条,八九条に従い,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
最高裁裁判長裁判官谷口正孝,裁判官団藤重光,同藤崎萬里,同本山亨,同中村治朗


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