立退料

借地や借家の賃貸借契約は、所有者や賃貸人が自由に解約できるものではありません。家賃の滞納による債務不履行でもない限り、賃貸借契約を終了させるには、原則として「正当の事由」(旧借家法第1条の2、借地借家法28条等参照)が必要になります。

この「正当の事由」の有無を判断するに当たっては、①賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情②賃貸借関係に関するこれまでの経緯や経過③当該物件の利用状況や現況など、当該賃貸借関係を取り巻く様々な事情や要素が考慮されることになります。

①は、貸主側と借主側のどちらの方が、当該物件を使用する必要性に迫られているのか等が比較されます。あなたが、長年の間、その店舗で地域に密着して商売を続けており、他に移転先や代替店舗を探すことも難しいような場合は、正当事由が認められにくいでしょう。②では、契約更新の状況や、賃料、保証金、権利金などの事情が考慮され、何度も契約の更新が行われているような場合は、やはり正当事由の有無に影響することがあります。③については、建物の現在の利用状況や構造、老朽化の程度などが考慮されることになります。防災構造上も問題がある老朽化した建物で即時に建て替えをしなければ人命にかかわる危険性があるような事情でもあれば、正当事由が肯定され得ます。

これら①~③に加えて、④「財産上の給付をする申し出」も正当事由の判断要素として考慮されます。いわゆる、「立退料」です。立退料は、あくまでも①~③を補う補完的な考慮要素で、立退料を支払えば当然に正当事由が認められるとか、反対に立退料を支払わなければ絶対に更新拒絶が認められないというものではありません。なお、契約書に立退料は発生しない旨の記載があっても、そのように賃借人に一方的に不利益な内容の条項については、その効力が否定されます。

不動産関係紛争の料金表

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