最判昭和43年10月29日裁判集民事92号651頁

賃貸不動産トラブル【目次】
借地借家の最高裁判例【目次】

最判昭和43年10月29日裁判集民事92号651頁

借地法10条の買取請求権を行使した場合と借家法1条の適否

       主   文

本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

       理   由

上告代理人加納制一の上告理由第一について。
原審の確定するところによれば,上告人は訴外兵庫県食糧営団に対し本件土地を含む宅地一一五坪五勺を賃貸し,訴外営団は本件土地上に本件建物を建築所有し,右建物所有権はその敷地である本件土地の賃借権とともに原判示の経緯を経て訴外亡日坂一雄に移転したところ,亡一雄は,被上告人に対し,本件建物のうち原判示(ろ)部分を期間の定めなく賃貸し,これを被上告人に引き渡したが,その後において,亡一雄は上告人に対し本件建物所有権移転に伴う本件土地賃借権譲渡について承諾のないことを理由に借地法一〇条に基づき本件建物につき買取請求をしたというのである。右の事実によれば,亡一雄の右買取請求権行使により,本件建物所有権は本件土地賃貸人である上告人に移転するが,右の所有権移転に先だち,被上告人は本件建物の前所有者である亡一雄から本件建物(ろ)部分を賃借しその引渡を受けているのであるから,被上告人は借家法一条一項により右建物部分の賃借権を新所有者である上告人に対し主張しうると解するのが相当である。右の点に関する原審の判断は正当であって,原判決に所論の違法は存しないから,所論は採用できない。
同第二について。
所論の点に関する原審の認定は,これを是認できる。そして,記録によれば,被上告人は原審において上告人の所論主張を争っているものと認めるのが相当であるから,所論は採用できない。
よって,民訴法四〇一条,九五条,八九条に従い,裁判官全員の一致で,主文のとおり判決する。
最高裁裁判長裁判官飯村義美,裁判官田中二郎,同下村三郎,同松本正雄

TOP

個人のお客様

法人のお客様

弁護士費用

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA