家族信託

家族信託とは

家族信託とは、財産を管理する方法の一つで、自分の資産を信頼できる家族に託して管理や処分を任せることをいいます。誰もが利用できる自由度の高い財産管理方法であり、遺言書や成年後見制度の代わりに利用することもできる便利な方法です。

家族信託の仕組みは、資産を家族に預ける立場の「委託者」、財産を預かって管理・処分する権利を持つ「受託者」、そしてその財産から利益を受ける「受益者」の3者で構成されています。イメージとしては「信託銀行に財産を預ける代わりに信頼できる家族に預ける」というもので、受託者は委託者の信託目的に従い、受益者のために財産を管理・運用・処分することとなります。

☑ 家族信託の活用事例
高齢の夫婦と子の家族において、夫が委託者として子に自分の財産の管理を委託しました。子は受託者として信託財産を管理・運用することになります。財産の利益を受ける受益者は、夫が生きているうちは夫に、夫が亡くなった後には妻に設定することができます。夫からすれば、自分の死後も子が財産管理を継続し、妻はその利益を受けることができますので安心です。また夫に次いで妻が亡くなればそこで信託は終了し、子は財産を相続することができます。

2007年に信託業法が82年ぶりに全面改定されたことで、信託の活用範囲が従来よりも広がりました。同時に家族信託に関する規定も整備されてより使いやすくなったため、家族信託は柔軟な資産管理ができる手法として注目を集めています。

家族信託のメリット3つ

自分の財産を管理・処分するための制度はいくつかありますが、その中で家族信託を選ぶメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

後見制度に代わり自由かつ柔軟な財産管理が可能

家族信託のメリットとしてまずあげられるのが、自由かつ柔軟な設定が可能であることです。

家族信託と類似した財産管理方法に成年後見制度がありますが、負担と制約が多いというデメリットがあります。家族信託なら贈与や投資も含め、委託者と受益者の間で自由に決めることができます。また最初に指定した受益者が亡くなった場合に備えて次の受益者を設定しておく、という順位付けも可能です。

認知症など将来本人の判断能力低下した際のリスク対策になる

2014年の厚生労働省「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」によれば、認知症高齢者は今後増加していくとされ、2025年には65歳以上の約20%が認知症を発症すると予測しています。

認知症などによって本人の意思判断能力が低下すると、財産が凍結され、財産の管理や処分でできなくなってしまう恐れがあります。前もって家族信託を設定しておけば、いざという時も本人の意思が反映され、財産に関する将来的な心配を取り除くことができます。

受託者が倒産した場合も倒産隔離機能で信託財産が守られる

個人に財産管理を任せるうえで気になるのが、万が一、受託者が破産してしまった場合に預けた財産まで差し押さえられてしまうのではないか、という点です。

結論からいえば、信託財産には倒産隔離機能という特徴があるため、受託者が破産しても信託財産はその影響を受けることはありません。信託財産は委託者の財産から切り離された資産であるため、信託財産が一緒に差し押さえられてしまう心配はなく、安心して家族信託を利用することができます。

家族信託を検討した方がいい人とは

家族信託の利用を検討した方がいいケースについて、具体的な例をいくつかあげてみましょう。

☑ 将来自分の判断能力が低下する前に財産管理対策を済ませておきたい
☑ 遺言書を書くのに抵抗がある、もしくは手続きが面倒
☑ 自分はまだ元気だが、今後の財産管理は子どもに任せてしまいたい
☑ 障害を持つ配偶者もしくは子どもがおり、自分の死後も誰かに財産を管理してもらうことで彼らの生活を保障したい
☑ 1人以上の受益者を決めておきたい、また受益の順番も自分で指定したい
☑  自分の死後、遺産が家族以外に流出してしまうことを防ぎたい
☑  自分の死後、遺留分請求を受けて財産が分散してしまうことを防ぎたい
☑  成年後見制度だと贈与や投資ができないので、もっと自由度の高い方法を探している

一つでも当てはまるなら、家族信託も検討に入れてみましょう。

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