労働法務週報(10月26日)

労働法務週報(10月19日~25日)
1.職場の健康保持増進指針を改正【確定】
- 何が変わったか
10月19日、厚労省が労安法70条の2に基づく指針を改正。従来の生活習慣病の一次予防に加え、がん、女性特有の健康課題、歯科・眼科疾患等の検診、精密検査の受診勧奨、治療と就業の両立支援など、二次予防を明示しました。雇用形態を問わず全労働者を対象としています。mhlw.go.jp - 実務上なぜ重要か
指針違反だけで直ちに損害賠償責任が決まるものではありませんが、疾病を理由とする不利益取扱い、復職・配置転換、安全配慮義務事件で、使用者に期待される健康管理水準を示す資料になります。衛生委員会議事録、受診勧奨記録、産業医対応、両立支援の検討記録を早期に確保すべきです。 - 確認すべき一次資料
改正後の健康保持増進指針(厚生労働省PDF)
2.雇止め離職者に対する雇用保険特例の存廃が具体的な検討対象に【要注視】
- 何が変わったか
10月22日の雇用保険部会で、2026年度末に期限を迎える有期契約の雇止め離職者の給付日数特例について、単純な延長だけでなく「恒久化又は廃止」も含めて検討する方向性が示されました。現時点で制度変更は確定していません。mhlw.go.jp - 実務上なぜ重要か
雇止め・退職勧奨事件では、離職理由と離職時期が失業給付額に影響し、和解金の評価にも直結します。更新申込み、更新期待を示す資料、雇止め通知、離職票の記載を確保し、「自己都合」とされた場合はハローワークへの異議資料を準備する必要があります。2027年3月末をまたぐ案件では制度動向を織り込むべきです。 - 確認すべき一次資料
「求職者給付等について②」第214回雇用保険部会資料(厚生労働省PDF)
3.裁量労働制の対象拡大と濫用防止策を具体的に審議【要注視・未改正】
- 何が変わったか
10月23日の労働条件分科会で、非対象業務が混在する場合、他社事業に関する企画業務、プロジェクト型業務などへの対象拡大案と、長時間労働・不十分な処遇を防ぐ措置が正式な論点になりました。現行の対象業務・手続要件はまだ変わっていません。mhlw.go.jp - 実務上なぜ重要か
現行事件では、将来の拡大論を先取りさせず、実際の裁量の有無、具体的な指示、対象外業務の混在、本人同意・撤回、健康確保措置を精査します。業務指示チャット、予定表、成果物、作業別時間、同意書を確保することが重要です。 - 確認すべき一次資料
裁量労働制の検討論点(厚生労働省PDF)
裁量労働制の詳細資料(厚生労働省PDF)
今週、裁判所・中央労働委員会の公表資料では、前号後に追加された掲載価値の高い労働者側裁判例・命令は確認できませんでした。中央労働委員会の最新公表は前号掲載済みの10月14日付明泉学園事件です。mhlw.go.jp