民事訴訟法87条の3

本条は、争点整理手続について、映像及び音声の送受信による通話の方法を利用して実施できることを定めた規定である。弁論準備手続(170条)、進行協議、その他の争点整理のための手続は、もともと電話会議やウェブ会議との親和性が高く、民事裁判のIT化以前から電話会議による運用が広く行われていた。本条は、そのような運用をデジタル化時代に対応させ、映像を利用した争点整理を法制度上明確に位置付けたものである。

 争点整理手続は、証拠調べや判決ではなく、当事者の主張・立証計画を整理し、審理を充実・迅速化することを目的とする。そのため、法廷への現実の出頭を必ずしも必要とせず、ウェブ会議を利用しても手続の適正を害しないことが多い。特に代理人双方が就いている事件では、移動時間や費用を削減できるため、現在の実務ではウェブ開催が標準的となりつつある。

 本条に基づくウェブ争点整理では、裁判所と当事者・代理人が同時双方向で映像及び音声を利用して協議を行うこととなる。書証や準備書面はあらかじめ電子提出され、mints上で共有された資料を参照しながら協議を進める運用が一般的であり、デジタル化による効率化の効果が最も現れやすい場面の一つである。

 本条は、87条の2が「口頭弁論のオンライン化」を定める規定であるのに対し、「争点整理手続のオンライン化」を定める規定として位置付けられる。実務では、多くの事件が「第1回口頭弁論のみ法廷、その後はウェブによる争点整理」という進行を採っており、本条は現代の民事訴訟実務を支える重要なIT化条文となっている。

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