民事訴訟法132条の10

民事訴訟法132条の10は、民事訴訟手続のIT化に対応するために設けられた規定であり、法令上書面で行うこととされている裁判所に対する申立てその他の申述について、最高裁判所規則の定める電子情報処理組織(mints等)を利用して電子的に行うことを認めています(1項)。この方法によってされた申立て等は、法律上、書面によってされたものとみなされるため(2項)、訴状、答弁書、準備書面、各種申立書等についても電子提出が可能となります。また、電子情報処理組織を利用した申立て等は、その内容がシステム上のファイルに記録された時点で裁判所に到達したものとみなされるため(3項)、提出期限の遵守を判断する基準時として重要な意味を有しています。さらに、法令上署名や押印が求められる場合であっても、電子提出においては最高裁判所規則の定める本人確認措置を講じることで足りるとされており(4項)、紙媒体における署名押印の機能を電子的手段によって代替しています。加えて、電子的に申立て等がされた場合には、その後の送達も電磁的記録の送達によって行うことができ(5項)、その送達は法令上の送達と同一の効力を有するものとみなされます(6項)。本条は、従来の紙媒体中心の民事訴訟手続と電子化された訴訟手続との間を接続する基礎的な規定であり、電子提出された書面の法的効力、到達時期及び電子送達の効力を明確にすることによって、民事裁判のデジタル化を支える重要な役割を果たしています。