第27講 関係会社・関連当事者をどう見るか|一社だけでは終わらない事案の入口

第27講 関係会社・関連当事者をどう見るか|一社だけでは終わらない事案の入口

法人破産では、表面上は一社の資金繰り破綻に見えても、実際には代表者個人、親族会社、関連法人を含めた一体運営の問題であることが少なくない。したがって、破産会社単体だけを見るのではなく、その周囲にある人的・資金的関係を早期に把握する必要がある。

まず確認すべきは、代表者が他に関与する法人の有無、同一所在地・同一連絡先の法人の存在、従業員・車両・倉庫・取引先の共用関係である。登記、請求書、契約書、会社案内、ホームページ等を見れば、形式上別会社であっても実質的一体運営の手掛かりが見えることがある。

次に重要なのは資金移動である。関係会社との間に貸付、立替、仮払、売掛金の付替え、経費負担の肩代わりなどがあれば、その実質を確認しなければならない。帳簿上は通常の科目処理であっても、実質的には資金流出、赤字補填、代表者個人への便宜供与である場合がある。

また、破綻前に優良資産や取引先だけを別会社に移しているような場合には、否認権や責任追及の問題に発展する。形式的に契約書があっても、時期、対価、支配関係、決済実態を見れば、不自然な資産移転として評価すべきことがある。

関係会社・関連当事者の調査は、単に周辺事情を知るためではない。破産会社の財産の所在、流出経路、回収可能性を把握するための基本作業である。一社だけで終わらない事案では、全体構造の見取り図を作ることが実務上不可欠である。

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