第42講 資産がほとんどない法人破産|配当不能事案でも何を調べるべきか

第42講 資産がほとんどない法人破産|配当不能事案でも何を調べるべきか

資産がほとんどなく、配当不能が見込まれる法人破産であっても、調査を直ちに省略してよいわけではない。むしろ、見かけ上は空虚な会社であっても、否認対象行為や責任追及の可能性が残っていることがあるため、最低限確認すべき事項を丁寧に見なければならない。

まず確認すべきは、本当に資産がないのかという点である。預金残高が乏しくても、売掛金、還付金、保険解約返戻金、敷金返還請求権、貸付金、未収金など、見えにくい資産が残っていることがある。また、破綻直前の資金移動や財産処分に不自然な点がないかも確認すべきである。

無配当見込み事案であっても、関係者への資産移転、親族会社との不明朗な取引、代表者への資金流出などがあれば、否認や責任追及の余地がある。したがって、財産が乏しいことと、調査の必要がないこととは同義ではない。

もっとも、調査には費用対効果の観点も必要である。どこまで掘るべきかは、回収可能性と調査コストの均衡で決まる。その意味で、配当不能事案では、広く浅くではなく、疑わしい点を絞って確認する姿勢が重要である。

資産がほとんどない法人破産であっても、何もないと決めつけず、回収可能性の芽を最後まで点検する必要があるのである。

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