第45講 離婚訴訟になると何が変わるのか|調停との違いと証拠の重み
第45講
離婚訴訟になると何が変わるのか|調停との違いと証拠の重み

離婚調停が不成立になると、次の段階として離婚訴訟が問題になります。調停も家庭裁判所で行われますが、訴訟になると性質は大きく変わります。調停が合意を目指す話合いの手続であるのに対し、訴訟は裁判所が最終的に法的判断を下す手続です。そのため、感覚的な「つらかった」「ひどかった」だけでは足りず、主張と証拠に基づく立証が重要になります。
まず大きな違いは、離婚そのものが認められるかどうかについて、法律上の離婚原因が問題になる点です。不貞、悪意の遺棄、暴力、婚姻関係の破綻などについて、どのような事実があり、それを裏付ける証拠があるのかが問われます。調停では相手が認めれば進むこともありますが、訴訟では相手が争えば、証拠によって裁判所を説得しなければなりません。
また、親権、養育費、財産分与、慰謝料などの付随的問題についても、訴訟ではより厳密な整理が必要になります。たとえば慰謝料であれば、どの行為が違法と評価されるのか、どの程度の精神的苦痛が認められるのかが問題となりますし、財産分与では対象財産や評価額を資料に基づいて示す必要があります。
訴訟では証拠の意味が格段に重くなります。LINEやメール、録音、写真、診断書、通帳、源泉徴収票、各種契約書などが、単なる参考資料ではなく、事実認定の基礎になります。逆にいえば、証拠が乏しい主張は通りにくくなります。感情的には真実であっても、法廷では証明できる形にしなければならないのです。
離婚訴訟になると、話合い中心の世界から、法的評価と立証の世界に移ります。そのため、訴訟に進む段階では、何を争点とし、何を証拠で支えるかを改めて組み立てる必要があります。