第4講  離婚理由になるのはどんな場合か|不貞・DV・悪意の遺棄・性格不一致の違い

第4講
離婚理由になるのはどんな場合か|不貞・DV・悪意の遺棄・性格不一致の違い

夫婦の一方が「もう離婚したい」と考えていても、相手が応じない場合、最終的には法律上、離婚が認められる事情があるかが問題になります。離婚の相談では、「相手に落ち度があるから離婚できるはずだ」「一緒にいるのがつらいから離婚したい」という思いが出発点になることが多いのですが、裁判実務では、感情の強さそのものではなく、どのような事情があり、それがどの程度のものかが問われます。

民法は、裁判で離婚が認められる典型例として、不貞行為、悪意の遺棄、三年以上の生死不明、回復の見込みのない強度の精神病、その他婚姻を継続し難い重大な事由を定めています。もっとも、実務上よく問題になるのは、不貞行為と、DV・モラハラを含む「婚姻を継続し難い重大な事由」です。

不貞行為とは、配偶者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を持つことをいいます。単なる親密なやり取りだけで直ちに法的意味での不貞になるわけではありませんが、肉体関係が認められれば、離婚原因にも慰謝料請求の根拠にもなり得ます。

DVは、身体的暴力だけでなく、継続的な脅迫、人格否定、強い支配などを含むことがあり、その内容や程度によっては、婚姻関係を破綻させる重大事由として扱われます。暴力が一回あっただけで常に離婚が認められるわけではありませんが、反復継続性や恐怖の程度、生活への影響が大きければ、重要な離婚原因となります。

悪意の遺棄とは、正当な理由なく同居義務、協力義務、扶助義務を果たさないことを指します。たとえば、生活費を全く渡さない、理由なく家を出て帰らない、病気の配偶者を放置するなどが典型です。単なる夫婦げんかや一時的別居とは区別して考える必要があります。

一方で、性格不一致は、実務上よく聞かれる言葉ですが、それ自体が法律に明記された独立の離婚原因ではありません。しかし、価値観の違い、会話の断絶、長年の不和、別居の継続などが積み重なり、もはや婚姻共同生活の実体が失われていると評価されれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚が認められることがあります。

したがって、離婚理由を考える際には、「何があったか」を単純なラベルで捉えるのではなく、その具体的内容、継続性、証拠の有無、婚姻関係への影響を整理することが重要です。離婚できるかどうかは、言い方ではなく中身で決まります。

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