地域ユニオンからの団体交渉申入れへの対応【使用者側】

相談前の状況
試用期間中の労働者から、即日の退職の申出とあわせて、未払割増賃金の請求がなされた事案です。
もっとも、本件では、就業規則上、時間外労働は、①使用者の指示がある場合、又は②労働者からの申出に対して使用者が承諾した場合に限って認められる建付けとなっており、試用期間中の労働者については、そもそも時間外労働を予定しない運用がされていました。
これに対し、相手方は、①研修について、時間外賃金が支払われないのであれば受けないとの姿勢を示しつつ、②使用者の指示もなく、また事前の申出・承諾もないまま職場に残っていた時間についても、時間外労働に当たるとして割増賃金を請求してきました。
そこで、使用者側としては、試用期間中の労働者による即時退職の可否、退職までの賃金処理、並びに請求された時間外労働が法的に割増賃金の対象となるかを整理したうえで、紛争の早期解決を図る必要がありました。
解決への流れ
当方は、まず、相手方が希望する退職日まで実際に就労する必要はないことを認めつつ、その間の賃金については全額支払うという内容の解決案を提示しました。
その一方で、時間外労働については、就業規則上も運用上も、使用者の指示又は申出と承諾を前提としており、研修の位置付けや、単なる居残り時間の評価を含め、直ちに割増賃金の支払義務が生じるものではないとして、相手方の主張を認めない方針を明確にしました。
その結果、最終的には、概ね使用者側の提案内容に沿う形で和解が成立し、退職日までの賃金を支払う一方で、時間外労働に関する相手方の主張は採用されない形で、早期かつ円満に紛争を終結させることができました。
少し営業感を足して、HP向けに整えるならこうもできます。
ポイント
試用期間中の労働者との紛争では、退職意思の取扱いだけでなく、研修時間や居残り時間が当然に時間外労働に当たるのかが争点となることがあります。
本件では、就業規則の定めと実際の運用を丁寧に整理し、支払うべき賃金は適切に支払いながらも、法的に根拠の乏しい割増賃金請求については安易に譲らないという方針で対応し、使用者側に有利な内容での和解に至りました。