【重度後遺障害】第13回 手足のしびれ・痛みが残ったとき|むち打ち・腰の神経症状で後遺障害を考えるポイント
第13回 手足のしびれ・痛みが残ったとき|むち打ち・腰の神経症状で後遺障害を考えるポイント

交通事故のあと、骨折がなくても、首・肩・腕・腰・脚にしびれや痛みが残ることがあります。追突事故のあとに「とりあえず治療は終わったが、前のようには戻っていない」というご相談は少なくありません。問題は、症状が残っていること自体ではなく、その症状を後遺障害としてどこまで適切に評価してもらえるかです。
自賠責保険では、後遺障害は1級から14級まで定められており、神経症状については、典型的には**第12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」**と、第14級9号「局部に神経症状を残すもの」が問題になります。等級が違うと、自賠責の後遺障害部分の限度額も大きく変わり、第12級は224万円、第14級は75万円です。さらに、後遺障害による賠償では、慰謝料だけでなく、収入や労働能力喪失率などを前提にした逸失利益も問題になります。したがって、12級か14級か、あるいは非該当かは、最終的な賠償額に直結しやすい重要な分岐点です。
ここで大切なのは、「痛い」「しびれる」と言っているだけでは足りないことが多い、という点です。後遺障害の請求では、後遺障害診断書の提出が必要であり、後遺障害が残った事故では、受傷部位を撮影したレントゲン・CT・MRI画像等の提出も求められます。つまり、症状を後から抽象的に説明するよりも、治療の経過、診断内容、画像、症状固定時の診断書がどう残っているかが重要になります。
実務上は、通院の初期から症状の部位、強さ、しびれの広がり、日常生活や仕事への支障をできるだけ一貫して残していくことが重要です。たとえば、「首が痛い」だけでなく、どの指にしびれがあるのか、長時間のデスクワークや運転でどう悪化するのか、家事や睡眠にどんな支障があるのかまで、診療の場で具体的に伝えておくことが、後の資料化につながります。後遺障害の場面では、症状そのものだけでなく、症状の経過と資料の整い方が結果を左右しやすいからです。これは上記の提出資料の仕組みからも自然にいえる実務上のポイントです。
保険会社から治療終了を打診された段階でも、すぐに諦める必要はありません。治療経過、画像所見、診断書の記載内容、仕事内容との関係を整理すると、後遺障害申請を検討すべきケースは少なくありません。特に、しびれや痛みは外見から分かりにくいため、資料の組み立て方が結果に差を生みやすい分野です。事故後に症状が残っているのに、「骨に異常がないから仕方ない」と流されそうになっている方こそ、一度、後遺障害の観点から全体を見直す意味があります。
弁護士法人森重法律事務所では、交通事故の後遺障害について、治療経過、診断書、画像、等級申請の見通しを踏まえてご相談をお受けしています。事故後にしびれや痛みが残っている方、後遺障害申請をするべきか迷っている方は、早めにご相談ください。