第29講  養育費とは何か|離婚後も続く親の扶養義務

第29講
養育費とは何か|離婚後も続く親の扶養義務

離婚すると、夫婦であることは終わります。しかし、親であることは終わりません。子どもに対する扶養義務は、離婚後も当然に続きます。そのため、子どもと一緒に暮らしていない親が、子どもの生活や成長のために支払うべき費用が養育費です。これは「会わせてもらえないから払わない」とか、「親権がないから関係ない」といった性質のものではありません。

養育費は、子どもの衣食住の費用に加え、通常必要な教育費や医療費など、社会生活を送るうえで必要な費用を含みます。子どもは親の離婚によって不利益を受けるべきではないという考え方が、その根底にあります。したがって、離婚の際に養育費を決めないままにしてしまうと、後から大きな紛争になることが少なくありません。

実務では、離婚協議や調停の中で、金額だけでなく、支払日、支払方法、いつまで払うか、進学時の特別費用をどうするかなどをできるだけ具体的に決めておくことが大切です。公正証書や調停調書の形にしておけば、不払い時の対応もしやすくなります。逆に、口約束だけで済ませると、後で「そんな約束はしていない」と争われやすくなります。

また、養育費は子どものためのお金であって、同居親のためのものではありません。この点を見失うと、支払う側も受け取る側も感情的になりやすくなります。親同士の関係が悪くても、子どもの利益は別に考える必要があります。

養育費は、離婚の付随問題の一つではありますが、本質的には「離婚後も続く親の責任」の具体化です。だからこそ、曖昧にせず、現実に払える形・受け取れる形で整えることが重要になります。

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