【重度後遺障害】第9回 顔面の著しい醜状障害|事故後、見た目の変化が大きく残ったときに考えるべきこと

第9回 顔面の著しい醜状障害|事故後、見た目の変化が大きく残ったときに考えるべきこと

交通事故によって顔に大きな傷あとが残ったり、輪郭や皮膚の状態に明らかな変化が生じたりすると、その影響は単なる外見上の問題にとどまりません。顔は、日常生活の中で常に他人の目に触れる部位であり、仕事、対人関係、外出、写真撮影、人前で話す場面など、生活のあらゆる場面に関わります。そのため、事故後に顔面の著しい醜状障害が残った場合には、ご本人が受ける精神的負担は非常に大きく、生活全体に深刻な影響が及ぶことがあります。

この種の後遺障害は、手足の機能障害のように「できる・できない」が分かりやすく現れるものではありません。しかし、見た目の変化は、ご本人にとって極めて大きな苦痛となり得ます。たとえば、人と会うこと自体が苦痛になる、視線が気になって外出しづらくなる、接客業や営業職など対人場面の多い仕事に大きな支障が出る、自信を失って社会生活そのものが消極的になるといった問題が生じることがあります。周囲からは「命が助かったのだからよかった」と受け止められてしまうこともありますが、ご本人の苦しみはそれだけでは到底片づけられません。

また、顔面の障害では、単に「傷あとが残った」というだけでなく、その大きさ、位置、目立ち方、治療経過、今後の改善可能性などが問題になります。さらに、瘢痕の状態によっては、表情の動き、口の開閉、食事、会話などに影響が及ぶこともあります。したがって、見た目の問題と機能面の問題の双方を丁寧に整理することが重要です。診断書や写真だけでなく、どのような場面で苦痛や不利益が生じているのか、仕事や日常生活にどのような影響が出ているのかを具体的に把握しておくことが、後遺障害認定や損害賠償を考えるうえで大切です。

このような案件では、治療費や通院費だけでなく、休業損害、逸失利益、慰謝料などが問題になります。特に、顔面の著しい醜状障害は、外見上の変化そのものが精神的損害の核心となりやすく、被害の実情を適切に伝えることが重要になります。見た目の変化は写真で一見して分かるように思われがちですが、実際には、そのことによってご本人がどれほどの心理的負担や社会的不利益を受けているのかまで、自然に十分伝わるとは限りません。だからこそ、事故後の変化と生活上の影響を丁寧に整理しておく必要があります。

当事務所では、交通事故によって顔面に大きな傷あとや変形が残った方について、後遺障害認定の見通しを踏まえながら、必要な資料の整理、損害賠償請求の進め方、今後の生活や就労への影響も見据えたご相談をお受けしています。
事故後、顔の傷あとや見た目の変化が大きく残り、人前に出ることや仕事、日常生活に強い不安を感じている場合には、早い段階で状況を整理することが大切です。
ご本人はもちろん、ご家族からのご相談も承っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA