【重度後遺障害】第10回 視力低下・視野障害|事故後、「見えているようで見えにくい」状態が続くときに考えるべきこと
第10回 視力低下・視野障害|事故後、「見えているようで見えにくい」状態が続くときに考えるべきこと

交通事故のあと、失明にまでは至らなくても、視力が大きく落ちた、視野が狭くなった、物が二重に見える、まぶしさが強くなったといった症状が残ることがあります。こうした視覚の障害は、一見すると周囲に伝わりにくいこともありますが、実際には日常生活や仕事に大きな支障を及ぼします。読書やパソコン作業、車の運転、階段の上り下り、人混みでの移動など、これまで当然のようにできていたことが、事故後には大きな負担になることがあります。
視力低下や視野障害のつらさは、単に「見えにくい」という一言では片づけられません。たとえば、正面は見えていても周辺が見えにくい場合には、人や物への接触が増え、外出に強い不安を感じることがあります。逆に、視野はある程度保たれていても、細かい文字が読みにくい、長時間目を使うと疲労が強い、光がまぶしくて集中できないといった症状が続けば、仕事や家事への影響は小さくありません。見た目には分かりにくいだけに、ご本人が抱える不便さや危険が十分に理解されないまま過ごしてしまうこともあります。
このような案件では、単に「視力が落ちた」というだけではなく、どのような見えにくさがあり、それが生活のどの場面で支障となっているのかを丁寧に整理することが重要です。通院や治療の経過はもちろん、仕事への影響、日常生活での危険や不便、家族の支援の状況なども含めて把握しておくことで、後遺障害認定や損害賠償を考えるうえでの土台が整います。視覚の障害は、検査結果だけでなく、生活上の具体的な不利益をどう示すかが重要になる場面も少なくありません。
また、視力低下や視野障害が残った場合には、治療費や通院費だけでなく、休業損害、逸失利益、慰謝料などが問題になります。仕事内容によっては、従前どおりの勤務が難しくなることもありますし、運転や精密作業が必要な職種では職業生活そのものに大きな影響が及ぶこともあります。見えている部分があるために「そこまで重くない」と受け止められがちですが、実際には生活全体の安全性や行動範囲に深刻な制約が生じていることも少なくありません。
当事務所では、交通事故によって視力低下や視野障害が残った方について、後遺障害認定の見通しを踏まえながら、必要な資料の整理、損害賠償請求の進め方、今後の生活や就労への影響も見据えたご相談をお受けしています。
事故後、「見えているはずなのに不自由が大きい」と感じる状態が続いている場合には、早い段階で状況を整理することが大切です。
ご本人はもちろん、ご家族からのご相談も承っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。