第25講  子どもの意思はどこまで尊重されるのか|年齢と意向の扱い

第25講
子どもの意思はどこまで尊重されるのか|年齢と意向の扱い

親権や面会交流を考えるとき、「子どもがこう言っている」という事情はとても重要に思えます。実際、子どもの意思は無視されるべきものではありません。しかし、実務では、子どもの意思だけで当然に結論が決まるわけでもありません。どの程度重視されるかは、年齢や成熟度、意向形成の過程などによって変わってきます。

一般に、年齢が高くなるほど子どもの意思は重く見られます。中学生や高校生に近い年齢であれば、日常生活や親との関係を自分なりに理解し、継続的な意思を持っていると評価されやすくなります。他方で、幼い子どもの場合は、目先の印象や周囲の影響を受けやすいため、その発言をそのまま決定的に扱うことには慎重になります。

また、子どもの意向が本当に本人の自然な意思なのかも重要です。同居親の影響を強く受けていないか、相手親への恐怖や遠慮がないか、その場しのぎの返答ではないかなどが見られます。親同士の対立が激しい事案では、子どもが無意識のうちに一方に迎合していることもあり、表面的な言葉だけでは判断できません。

面会交流の場面でも同様です。子どもが「会いたくない」と言っているから直ちに全面停止、という単純な話にはならないことがあります。その背景に何があるのか、過去の交流状況や現在の監護環境を含めて丁寧に見る必要があります。逆に、かなり明確で一貫した拒否があり、その理由にも合理性がある場合には、その意向を軽視することはできません。

要するに、子どもの意思は重要ですが、万能ではありません。尊重されるべきなのは確かでも、それが自由で安定した意思なのかを見極めながら、最終的には子どもの利益全体の中で位置づけることになります。

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