第47講 内縁・再婚・前妻の子がいる相続|家族関係が複雑な事案の基本

第47講

内縁・再婚・前妻の子がいる相続|家族関係が複雑な事案の基本

家族関係が複雑な相続でいちばん大事なのは、実際に一緒に暮らしていた人と、法律上の相続人が一致しないことがある、という点です。民法上は、被相続人の配偶者は常に相続人であり、これにがいれば子が第一順位の相続人になります。配偶者と子が相続人であるときの法定相続分は、配偶者が2分の1、子全体が2分の1です。

まず、離婚した元配偶者には相続権がありません。これは感覚とずれにくいのですが、実務で問題になるのはその次です。法務局の資料が明示しているとおり、前妻(夫)との間の子は相続人です。つまり、再婚後の家庭だけで相続が完結するとは限らず、前婚の子がいれば、その子も現在の配偶者や現在の子と並んで相続人になります。

ここでよくある誤解は、「前妻の子は長年交流がないから関係ないだろう」という発想です。しかし、相続は交流の濃さではなく、法律上の親子関係で決まります。したがって、前婚の子がいる案件では、その子を外したまま遺産分割協議を進めることはできません。法務局が「前婚の子どもがいる人には遺言を勧める」と案内しているのも、まさにこの類型で遺産分割協議がもめやすいからです。

また、子については、今の法制では、嫡出子と嫡出でない子の相続分は同等です。法務省は、2013年改正により、嫡出でない子の相続分を嫡出子の2分の1としていた部分が削除され、同等になったと説明しています。したがって、法律上の親子関係がある以上、「前妻の子だから取り分が薄い」「婚外子だから少ない」という整理にはなりません。

次に、内縁の配偶者です。ここは実務上かなり切ない場面が多いのですが、法務局は、内縁の妻(夫)には相続権がないと明確に案内しています。長年夫婦同然に暮らしていても、婚姻届を出していない以上、法定相続人にはなりません。だから、内縁の相手に財産を残したいなら、放っておいては足りず、遺言で遺贈するなどの手当てが重要になります。

再婚家庭で見落としやすいのが、連れ子です。法務省は、養子縁組をすると養子は養親の相続人になると説明しています。逆にいえば、再婚相手の連れ子であっても、養子縁組をしていなければ、通常は法律上の親子関係がないため法定相続人にはなりません。ここは実生活の感覚と法的処理がずれやすい典型です。

結局、この類型の相続で起きる混乱は、法律の整理自体が難解だからというより、「一緒に暮らしていた人に権利があるはず」という感覚と、「戸籍上の配偶者・子に権利がある」という法の整理が食い違うから起こります。内縁の配偶者には相続権がなく、前婚の子には相続権があり、連れ子は養子縁組がなければ通常は相続人にならない。この三つを押さえるだけで、複雑家族型の相続の見取り図はかなり明確になります。

第48講では、相続で弁護士に相談するべき場面|もめる前ともめた後の違いを扱います。ここまで見てきたとおり、相続は「争いが起きてから」だけでなく、「争いそうな形が見えた時点」で対応の質が変わります。

家族関係が複雑な相続でいちばん大事なのは、実際に一緒に暮らしていた人と、法律上の相続人が一致しないことがある、という点です。民法上は、被相続人の配偶者は常に相続人であり、これにがいれば子が第一順位の相続人になります。配偶者と子が相続人であるときの法定相続分は、配偶者が2分の1、子全体が2分の1です。

まず、離婚した元配偶者には相続権がありません。これは感覚とずれにくいのですが、実務で問題になるのはその次です。法務局の資料が明示しているとおり、前妻(夫)との間の子は相続人です。つまり、再婚後の家庭だけで相続が完結するとは限らず、前婚の子がいれば、その子も現在の配偶者や現在の子と並んで相続人になります。

ここでよくある誤解は、「前妻の子は長年交流がないから関係ないだろう」という発想です。しかし、相続は交流の濃さではなく、法律上の親子関係で決まります。したがって、前婚の子がいる案件では、その子を外したまま遺産分割協議を進めることはできません。法務局が「前婚の子どもがいる人には遺言を勧める」と案内しているのも、まさにこの類型で遺産分割協議がもめやすいからです。

また、子については、今の法制では、嫡出子と嫡出でない子の相続分は同等です。法務省は、2013年改正により、嫡出でない子の相続分を嫡出子の2分の1としていた部分が削除され、同等になったと説明しています。したがって、法律上の親子関係がある以上、「前妻の子だから取り分が薄い」「婚外子だから少ない」という整理にはなりません。

次に、内縁の配偶者です。ここは実務上かなり切ない場面が多いのですが、法務局は、内縁の妻(夫)には相続権がないと明確に案内しています。長年夫婦同然に暮らしていても、婚姻届を出していない以上、法定相続人にはなりません。だから、内縁の相手に財産を残したいなら、放っておいては足りず、遺言で遺贈するなどの手当てが重要になります。

再婚家庭で見落としやすいのが、連れ子です。法務省は、養子縁組をすると養子は養親の相続人になると説明しています。逆にいえば、再婚相手の連れ子であっても、養子縁組をしていなければ、通常は法律上の親子関係がないため法定相続人にはなりません。ここは実生活の感覚と法的処理がずれやすい典型です。

結局、この類型の相続で起きる混乱は、法律の整理自体が難解だからというより、「一緒に暮らしていた人に権利があるはず」という感覚と、「戸籍上の配偶者・子に権利がある」という法の整理が食い違うから起こります。内縁の配偶者には相続権がなく、前婚の子には相続権があり、連れ子は養子縁組がなければ通常は相続人にならない。この三つを押さえるだけで、複雑家族型の相続の見取り図はかなり明確になります。

第48講では、相続で弁護士に相談するべき場面|もめる前ともめた後の違いを扱います。ここまで見てきたとおり、相続は「争いが起きてから」だけでなく、「争いそうな形が見えた時点」で対応の質が変わります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA